企業の節電でできることは何がある?今すぐ取り組める対策5選を解説

2026.5.29 AI空調・省エネ最適化

電気料金の上昇により、企業では電気代を含む光熱費削減が重要な経営課題の一つとなっています。加えて、省エネや脱炭素への対応も求められる中、節電対策に取り組む企業が増えています。

一方、実際に取り組もうとすると、「何から始めればよいのか分からない」「対策が多すぎて優先順位を決められない」と悩むケースは少なくありません。

節電にはさまざまな方法がありますが、重要なのは、すべてを一度に実施することではありません。自社で電力使用量が大きい設備から優先的に見直すことで、効率的に改善を進めやすくなります。

本記事では、企業が今すぐ取り組める節電対策を整理した上で、実施時の注意点まで解説します。

結論:節電でできることは多いが、全部やる必要はない

企業の節電対策には、空調の設定変更や照明の見直し、設備更新、運用ルールの改善など、多くの選択肢があります。しかし、すべてを同時に進める必要はありません。

なぜなら、企業ごとに「どの設備で多くの電力を使っているか」が異なるためです。例えば、オフィスでは空調の割合が高くなりやすい一方、工場では生産設備、飲食店では空調や冷凍冷蔵設備の割合が大きくなるケースがあります。

そのため、やみくもに対策を増やしても、大きな削減効果につながらない場合があります。

まずは電力使用量が多い設備から見直そう

節電効果を高めるには、まず電力使用量の大きい設備から着手することが重要です。

企業では、主に次のような設備が電力消費の中心になりやすい傾向があります。

  • オフィス:空調、照明
  • 工場:生産設備、動力設備
  • 店舗:空調、照明、冷凍冷蔵設備

例えば、オフィスビルでは空調が電力使用量の大きな割合を占めることが多く、設定温度や運転時間を見直すだけでも効果が出やすい場合があります。

一方で、電力使用割合が小さい設備ばかり細かく改善しても、全体としての削減効果は限定的です。そのため、まずは「どの設備が最も電力を使っているか」を把握することが、効率的な節電につながります。

企業が今すぐ取り組める節電対策5選

節電は、大規模な設備更新だけでなく、日常の運用改善でも始められます。ここでは、企業で取り組みやすい代表的な対策を紹介します。

対策1:空調の設定温度・運転時間を見直す

企業の節電では、まず空調運用を見直すことが重要です。空調は多くの施設で電力消費割合が大きく、改善効果が出やすい設備だからです。特に、過度な冷暖房設定や営業時間外の運転は、空調の消費電力消費につながる可能性があります。

例えば、オフィスで始業よりかなり早い時間から空調を稼働させる、店舗で閉店後も設定を戻し忘れるといったケースは少なくありません。こうした運用を見直すだけでも、電力使用量の改善につながります。

また、環境省が推進する「デコ活」のクールビズ・ウォームビズでは、冷房時の室温28℃、暖房時の室温20℃を目安とした室温管理が推奨されています。過度な冷暖房を避けることで、快適性と省エネの両立につながります。

▼出典:
「適切な室温管理について」(環境省)(https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/coolbiz/article/2020_action_detail_004.html)
「ウォームビズ(WARMBIZ)とは」(環境省)(https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/warmbiz/about/)

対策2:照明のLED化・消灯ルールを整える

照明は、オフィス・店舗・工場などで取り組みやすい節電対策です。特に、点灯時間が長いエリアでは、LED化や消灯ルールの整備によって電力使用量を抑えやすくなります。

例えば、会議室・倉庫・バックヤード・トイレなどは、使用していない時間も点灯したままになりやすい場所です。エリアごとに消灯担当者や点灯時間を決めるだけでも、無駄な電力消費を減らせます。

また、人感センサーやタイマー制御を導入すれば、人の確認に頼らず消灯しやすくなります。すでにLED化している場合でも、照明の区画分けや営業時間外の点灯状況を見直すことで、追加の改善余地を把握できます。

対策3:OA機器や待機電力を削減する

OA機器や給湯機器は、未使用時の設定を見直すことで待機電力を削減できます。特に、パソコン・複合機・モニター・電気ポットなどを多数使用するオフィスでは、全体で見ると大きな節電につながります。

例えば、パソコンは一定時間操作がない場合にスリープへ移行する設定にし、複合機やモニターは営業時間外に電源を切る、といった運用です。電気ポットや給湯機器も、使用時間を決めて稼働させると無駄を抑えやすくなります。

また、部署や拠点ごとに機器台数を確認し、利用頻度の低い複合機や共有モニターを集約することも有効です。小さな改善でも、台数が多い企業では継続的なコスト削減につながります。

対策4:デマンドピークを抑える

デマンドピークとは、一定時間内で最も電力使用量が高くなるタイミングのことです。高圧電力契約では、このピークが基本料金に影響するため、使用量の集中を避けることが重要です。

例えば、始業直後に空調・照明・生産設備を一斉に稼働させると、電力負荷が急増します。空調は始業前に段階的に起動し、生産設備はラインごとに立ち上げ時間をずらすことで、ピークを分散しやすくなります。

デマンドピークの抑制は、電気料金全体の見直しにつながる重要な対策です。

対策5:電力使用量を見える化する

節電を進めるには、設備別・時間帯別に電力使用量を把握することが重要です。月次の請求書だけでは、どの設備で無駄が発生しているのか判断しにくいためです。

例えば、BEMSや電力監視システムを活用すると、空調・照明・冷凍冷蔵設備・生産設備などの使用状況を確認できます。使用量が増える時間帯や、営業時間外に稼働している設備を把握できれば、優先的に見直す箇所を決めやすくなります。

また、既存メーターのデータを日別・時間帯別に整理するだけでも、改善の手がかりを得られるでしょう。電力使用量の見える化は、節電対策の優先順位を決めるための土台になります。

節電に取り組む際の注意点

企業の節電では、単純に電力使用量を減らせばよいわけではありません。削減だけを優先すると、現場負担の増加や快適性・生産性の低下につながる場合があります。

ここでは、節電に取り組む際の注意点を整理します。

現場の努力だけに頼ると継続しにくい

節電を従業員の意識だけで維持し続けることには限界があります。

例えば、「不要な照明を消す」「空調設定を守る」といったルールを作っても、時間が経つと徹底されなくなるケースは少なくありません。

特に企業では、担当者の異動や現場ごとの差によって、運用が形骸化しやすくなります。張り紙や注意喚起だけでは、継続的な改善につながりにくい場合もあります。

そのため、節電を継続するには、ルール運用だけでなく、設備制御や自動化なども含めて考えることが重要です。

快適性や生産性を下げないことが重要

過度な節電は、快適性や生産性を下げる原因になる場合があります。

例えば、空調を必要以上に抑えると、室温環境が悪化し、従業員の集中力低下や不満につながる可能性があります。また、照明を減らしすぎることで、作業効率や安全性へ影響するケースもあります。店舗では、暑さや暗さが顧客満足度に影響することもあるでしょう。

節電では、「とにかく減らす」という考え方ではなく、快適性や業務効率とのバランスを取りながら、無駄を減らしていく視点が重要です。

なかでも空調は節電効果が出やすく、優先的に見直されやすい設備

企業における設備のなかでも、空調は電力使用量が大きくなりやすく、設定温度や運転時間などを調整しやすい設備です。

ただし、建物全体の電気代は把握できていても、空調にかかる電力まで確認できていないケースも少なくありません。

アラヤの空調最適化AIシステム「ConsciousAir」では、個別空調の場合、各空調機器の電力を見える化するところから支援できます。空調ごとの消費電力を把握することで、快適性を維持しながら、無駄な電力消費を見直せます。

ConsciousAirについて、詳しくはこちらのページをご覧ください。

まとめ:自社に合った節電対策でできることから取り組もう

  • 節電対策は、電力使用量が大きい設備から優先して進めることが重要
  • 空調・照明・OA機器・デマンドピークの抑制・使用量の見える化など、日常運用で始められる対策がある
  • 快適性や生産性を下げないよう、現場に定着しやすい仕組みづくりが必要

企業の節電では、すべての対策を一度に実施する必要はありません。まずは、空調や照明など電力使用量が大きい設備から優先的に見直すことで、効率的に改善を進めやすくなります。

また、節電は単純な削減だけでなく、快適性や業務効率とのバランスも重要です。現場で継続しやすい運用や仕組みづくりを意識しながら、自社に合った対策を進めていきましょう。

まずは、どの設備が電力コストの中心になっているかを洗い出し、節電に取り組めないか検討することから始めましょう。

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株式会社アラヤ

先端AIとニューロテックを基盤とするディープテックベンチャーです。ムーンショット型研究開発への参画をはじめ、企業・大学との共同研究実績を多数有し、現役研究者とエンジニアが一体となった研究支援を提供しています。大学・研究機関における持続可能な研究体制の構築と研究力強化に貢献してまいります。
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